夏に比べるとずいぶんと日が短くなり、秋の深まりを感じているこの頃です。
秋といえば少しセンチメンタルになりがちですが、長崎では今年も10月7日~9日までの3日間、長崎市民の血が騒ぐ秋の大祭『長崎くんち』で盛大に賑わっています。
台風の影響が心配されましたが、くんち初日には青空が広がる爽やかな朝を迎え、7年に1度の出番を迎えた7つの“踊り町(おどりちょう)”は、奉納踊りで長崎市街地を興奮と熱気の渦に包み込みました。
特に今年は、「7年に一度しか見られない注目の高い演(だ)し物」とも言われている椛島町(かばしままち)の太皷山「コッコデショ」が奉納され、街中を回りながら披露する“庭先回り”でも勇ましい演技で観客を魅了しています。
前回、椛島町が踊り町だった7年前の2011年は、東日本大震災が起こった年でした。
今回使われている太皷山は、福島第1原発事故で被災した福島県川内村のヒノキを使い28年ぶりに新調されています。
太皷山応援団が、同原発の30キロ圏内にある福島県川内村に手紙でエールを送ったことがきっかけとなり、同村からやぐらの材料となるヒノキの無償提供を受けたそうです。
東日本大震災からの復興の願いが込められた一糸乱れぬ見事な演技と勇壮な掛け声に、大勢の見物客からいつまでもいつまでも「よいやー!(=素晴らしい)」「もってこーい!(=アンコール)」の掛け声が響いて止まないのも頷けます。
今日もとてもいい秋晴れに恵まれて、興奮冷めやらぬ「長崎くんち」は最終日の後日(3日目)となりました。
これから長崎市内は夜に向けて、平成最後になる長崎くんちのピークを迎えます。